向こう三軒両隣
13:03 2008/05/27
向こう三軒両隣
『向こう三軒両隣』、妙に懐かしい響きをもったことばだ。
当時私はまだ小学生であった。
当時の戸畑市小芝町4丁目に、父の勤務する日立金属株式会社戸畑工場の木造モルタル造りのアパート(社宅)があり、そこに住んでいた。
このアパートは2階建てで、多分20家族以上がここで暮らしていた。
炊事場とトイレは共同で、風呂は無く、近くの銭湯を利用していた。
吹き抜けの庭を中心にして回廊がめぐらされていた。
アパートの前の庭にはブランコやすべり台が設置されていた。
私は今から約20年前に生まれ故郷の北九州市戸畑区を訪問して驚いた。
何もかもすっかり変わってしまっていた。
ただ、変わっていないのは私の母校、戸畑高校のたたずまいと周囲の公園、それに懐かしいあの木造アパートは会社の独身寮としてまだ現役で使われていた。
ブランコも昔のまま残っていた。
懐かしかった。
私はここで小学校時代の6年間を過ごした。
皆、同じ会社の家族なのでまとまっていて、日々の付き合いも相当に深いものがあった。
年に一度会社で数台の大型バスを用意し潮干狩りなどにも連れて行ってもらった。
向こう三軒両隣との付き合いは完璧なものだった。
就職して千葉県や埼玉県に住んでいたが、ご近所との付き合いはあまりなかった。
特に東京都文京区のアパートで暮らしていたときには、一年間そこに住んでいても、隣の人の顔さえ知らなかった。
タイに移り住んで今年で9年目になる。
タイでも私の住んでいる場所は東北地方(イサーン)のコーンケーン県。
ここには、懐かしい『向こう三軒両隣』の精神が完全な形で残っている。
まるで50年前の日本のようだ。
私はここに住んでいることに対する喜びを、改めてかみしめている。
srachai from khonkaen, thailand
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